Abandoned Prince Heals Enemy Soldiers

Abandoned Prince Heals Enemy Soldiers – Chapter 15

Chapter 15: The Abandoned Prince Detoxifies Alcohol “Alright, it’s begun-zo!! The first-ever Groom Snatching Battle!! The Empire’s Seventh Imperial Princess Rosemary versus the Kingdom’s Duke’s Daughter Eliza!! Your commentator for today is none other than I, the Fifth Imperial Princess Yellowna-zo!!” Yellowna-san shouts, microphone in hand. Today, she’s not in her work clothes, but dressed Abandoned Prince Heals Enemy Soldiers – Chapter 15

Abandoned Prince Heals Enemy Soldiers – Chapter 14

Chapter 14: The Abandoned Prince Reunites With His Former Fiancée Several days had passed since Alkalion went berserk and rampaged in the Imperial Capital. Currently, the Imperial Capital is undergoing reconstruction. Naturally, the populace demanded a detailed explanation from Alkalion about the pure white dragon that suddenly appeared in the center of the Imperial Capital. Abandoned Prince Heals Enemy Soldiers – Chapter 14

Abandoned Prince Heals Enemy Soldiers – Chapter 13

第13話 捨てられ王子、目覚める ワイバーンの背に乗って大空を羽ばたく。 面白いように眼下の景色は移り、この調子なら帝都まであっという間だろう。 俺はローズマリーから事情を聞く。 「アルカリオンを止めて欲しいって?」 「ああ。母上が怒りを抑えられず、自らの真の姿を解き放って暴れているらしい」 竜人の真の姿ってことは、ドラゴンか何かなのだろうか。 しかし、アルカリオンが激昂するとは。 彼女に愛され甘やかされている自覚はあったが、そこまでとは思いもしなかった。 正直ちょっと嬉しい。 「あー、多分レイ君が想像してる何百倍も酷いよ。今頃帝都が半壊してるんじゃないかな~」 と、そこでアイルインが言った。 何やら帝都で起こっている事態について、少し焦りを覚えているようだ。 「あたしがまだ十歳くらいだった時かな? ママったらパパを敵国の人間に暗殺されて、その国の人間を皆殺しにしちゃったんだよね〜。民族浄化だ~つって」 「母上がそんなことを? いや、親しい者を殺されて怒るのは当然だろうが……」 「今よりバチクソ尖ってた時期だし、ママってほら。割と愛が重めで本質的にはお子様だからさ。自分の大切なものを害されるとマジギレするの。今回は怒りを発散できる対象が少ないから、暴れたくなっちゃったんだろうねぇ~」 流石はお義姉さん。 アルカリオンへの理解度が高いというか、分かりやすくて助かる。 そうこう話しているうちに帝都が見えてきた。 すると、何やら帝都の各所から無数の火の手が上がっているではないか。 その中心には一つの巨大な影がある。 「何あれ!? 超カッコイイ!!」 その巨大な影の正体は、ドラゴンだった。 四足歩行で背中からは帝城よりも大きそうな翼がはためいている。  純白の鱗が炎に照らされて紅く輝いているせいもあるだろう。 暴れ回る姿はまさに破壊神。 迸る黄金の魔力は大気を震動させ、その姿を見た者に畏怖を抱かせる。 男の子なら多分全員憧れるビジュしてると思う。 「ぶふっ、あっはっはっ!!」 「アイルイン姉上? 笑っている場合ではないと思うのですが……」 「いや、だって!! ママのあの姿を見てカッコイイとか!! 普通ならビビってちびるのに!! こりゃママの夫に相応しいわ!!」 どうやらアイルインのツボに入り、義父認定されたらしい。  この調子で義弟認定もしてもらいたいところだな。 それにしても、あの白い竜がアルカリオンの真の姿なのか。 もしかしてローズマリーも本気を出したら、ああいう感じのカッコイイドラゴンに変身したりするのだろうか。 気になる。超気になる。 「な、なんだ? レイシェル、その視線は?」 「あー、無理無理。レイ君、ローズマリーはドラゴンに変身できないよ~。あれは純粋な竜人が永き時を経て成る姿、真なる竜だ。混ざり者の私らにはできないよ」 「あ、そうなんだ……」 「っ、な、何故かレイシェルの期待を裏切ってしまった気がする!!」 いやいや、そんなことはない。 ローズマリーもドラゴンになったらカッコイイと思っただけである。 「しかし、どうしたものか……。完全に母上は暴走しているな」 「……俺が誘拐されたばかりに……」 「いやー、それは違うっしょ〜。悪いのはレイ君を拐った奴らであって、更に言うなら癇癪を起こしてるママ。君は悪くないって」 そう言って俺を慰めるアイルイン。 どこかアルカリオンに対してトゲのある物言いに感じられるのは俺の気のせいだろうか。 「ローズマリー、アルカリオンとアイルインって不仲なの?」 「い、いや、そんなことはない。ないが、私が生まれる前に何かあったらしくてな。確執とまでは言わないが、数年ほど喧嘩が続いているのだ」 「な、長いね……」 「長命者の喧嘩は長いと言うからな……」 「二人とも聞こえてるよ~。早くママを何とかしようよ~」 俺とローズマリーは揃ってビクッとしながら、どうやってアルカリオンを正気に戻そうか考える。 「上空から呼び掛けても聞こえないだろうし、近づいたら危ないよな……」 「ああ、今の母上は無差別だ。レイシェルだと気付かない恐れもある」 Abandoned Prince Heals Enemy Soldiers – Chapter 13

Abandoned Prince Heals Enemy Soldiers – Chapter 11

第11話 捨てられ王子、救出される ガタンゴトンという特徴的な振動で俺は思わず目を覚ます。 そこは列車の中だった。 それも動物を輸送するための車輌で、大量の藁が地面に敷かれている。 どことなく獣臭いのはそのせいに違いない。 「ここは……俺はたしか……」 「お? やーっと起きたねぇ」 知らない女性の声が聞こえて、俺はそちらに視線を向けた。 綺麗な人だった。 少し跳ねた藍色の髪を肩まで伸ばしている若い女性で、誰かに似ている。 瞳の色までは分からない。 暗くて分からないとかじゃなくて、糸目で瞳が見えないから。 ただ、とても臭かった。 「す、凄い酒の匂い……」 女性からは離れていても思わず鼻を覆いたくなる程の酒の臭いがした。 よく見ると、女性の手には酒瓶が握られている。 「あ、君も飲むぅ? これ、お姉さんのおすすめで超酔えるからマジ最高だゾ~」 「えーと、遠慮します。それよりここは? 貴女は?」 「列車だよ~。どこに向かってるのかは分かんな~い。お気に入りの酒場で潰れるまで飲んでたらここにいたんだよねぇ。ついでに自分が誰かも分かんな~い、なんつって。たはは」 酔っ払いって面倒だなあ。 「冗談だよぉ。だからお姉さんをそんな冷たい目で見ないでってば~。でも名前を聞く時は自分から名乗るもんじゃない?」 「まあ、それはそうですね。俺はレイシェルです」 俺が名前を名乗ると、酔っ払いの女性は今まさに中身を呷ろうとしていた酒瓶をピタッと止めた。 そして、酒瓶を置いてこちらを無言で見る。 その折りに糸目が開いて、藍色の瞳が俺をまじまじと見つめてきた。 微かに目が光っているような……。 「ふーん、君が噂の……。なるほどねぇ、大体今回の誘拐目的は分かったかも。大変なことになっちゃったなあ」 「え?」 「何でもな~い。あ、私の名前はアイルイン。アイちゃんで良いよ~」 「ああ、そうですか。よろしく、アイちゃん」 「お、おお。本当に初対面でちゃん付けしてくる子は初めてだなぁ」 アイルインが自分からアイちゃんって呼べって言ったくせに。 「まあ、助けが来るまで三人で仲良くしようね~」 「三人?」 「あれ? 気付いてない感じ? ほら、君のすぐ横で眠ってるゾ~」 言われてから気付いた。 誰かが俺の服の袖を握っており、静かに寝息を立てている。 「お、おお、可愛い……」 まるで天使のような少女が眠っていた。 毛先に軽いウェーブがかかったエメラルドグリーンの髪をしている少女だ。 問題はその格好。 俗に言うネグリジェという寝間着で、色々と透け透けで見えてしまっている。  幼い容姿にネグリジェという犯罪臭漂う背徳的な格好だった。 「えーと、この子も拐われちゃったんですかね?」 「多分ね~。その子いっつも寝てるから、拐うのは簡単だったと思うよ~」 「知り合いですか?」 「知り合いっていうか、あたしの妹~。どう? あたしと同じでめっちゃ可愛いっしょ~」 「……妹。妹!?」 この天使のような少女の姉が、この酔っ払いということか!? 「あれ? なんか凄い失礼な反応されてない?」 「あ、いや、す、すみません。あんまり似てなかったもので」 「ま、そこはしゃあないかな。その子とは父親が違うし」 思ったより複雑な家庭なのだろうか。 深く突っ込むのも忍びないので、俺は少女を起こさないよう黙ることにした。 「ね〜ね〜。君ってさぁ、恋人とかいる感じ~?」 Abandoned Prince Heals Enemy Soldiers – Chapter 11