Returnee of the Seventh Academy

Returnee of the Seventh Academy – Chapter 283

第2話 お友達になりましょうね! ウフ!  宇宙人襲来からしばらく経ち、地球は平穏を取り戻していた。  いつもと変わらぬ日々を過ごしていた一真のもとに慧磨から連絡が届く。  宇宙人達への賠償請求などの資料が完成したとの事で一真は慧磨のもとへ転移した。 「一真君。準備万端だ。いつでも行けるよ」 「うっす! さくっと終わらせましょうか!」 一真は桃子と桜儚を引き連れ、慧磨と月海の四人で女王のもとへ転移する。  丁度、休んでいたのか女王が寛いでいるところに一真達が現れた。  突然の来訪に女王は目を丸くしたが、一真が転移出来る事は既に知っていたので、すぐに落ち着きを取り戻し、客人として五人を出迎える。 「ようこそ、おいでくださいました」 「よう。今日は本格的に話し合いに来たぞ。あ、俺は正直、よくわからんから、どっかで時間を潰したいんだけど」 「一真君……。ここは一応は敵地なんだから傍で護衛に専念して欲しいんだが」 「俺一人に負けた奴らが喧嘩を売ってくる事はないでしょ?」 「暗殺はあり得るからね?」 「あ~……。分かったっす。話には加わりませんが傍で待機してますわ」 「それで十分だ」 「お話はよろしいでしょうか?」 「申し訳ない。すぐにでも、と言いたい所だがそちらにも都合というものがあるだろう。準備が出来たら教えてもらえないだろうか」 「ご配慮痛み入ります」 女王は慧磨に頭を下げると、すぐさま議長達へ連絡する。  一真達がやってきたので話し合いの準備を行うようにと。  戦争に負けたというショックを引きずっているかと思われていたが、議長達も紅蓮の騎士の出鱈目っぷりをモニターを通して見ている為、その矛先が自分達に向けられたくないからと、すぐさま話し合いの準備を整えた。 「では、ご案内しますのでついて来てください」 一真達は女王の後をついていく。  案内された場所は大きな長テーブルが中央に設置されている会議室であった。  そこにはすでに議長と呼ばれている代表者達が一真達を出迎えるように立っている。  全員が白いベールのようなもので顔を隠しているので表情は窺えないが、恐らく引き攣った笑みを浮かべているだろう。  何せ、女王の後に入って来たのは宇宙人達を戦慄させた紅蓮の騎士なのだから。  少しでも粗相をすれば首が物理的に飛ぶかもしれないと恐怖しながら議長達は一真達に頭を下げた。 「お席の方へどうぞ」 すかさず、使用人と思わしき者達が一真達の椅子を引き、座るように促した。  一真達が全員着席すると、議長達と女王も腰を下ろし、話し合いの準備が整う。  まずは慧磨が軽く自己紹介を始めてから、賠償についてや今後についての資料を女王へ渡し、会議が進んでいく。  一真は開始数分で夢の中へ旅立ち、どのような話が行われていたのかを全く知ろうともしなかった。 「起きてください」 「……む? 終わった?」 「はい。締結しましたのでもう終わりです」 「何か契約でも結んだの?」 「後で話しますから、今は退室する準備をしてください」 「ういうい」 寝ていた一真は桃子に起こされ、部屋から出ていく。  ちなみに一真が寝ていた間、議長達はずっと緊張していた。  沈黙を貫いている紅蓮の騎士が恐ろしくて下手に口出し出来なかったのである。  まるで紅蓮の騎士が睨みつけているかのように感じていたそうだ。 「一真君。女王陛下との話し合いは終わったから、もう日本に帰っても問題ないよ」 「そうっすか? 分かりました」 用事も済ませたので一真は慧磨達と一緒に日本へ戻る。  首相官邸に戻ってきた一真は慧磨にどのような契約を結んだのかと尋ねた。 「一真君に分かりやすく言えば日本とアメリカのような友好条約だね。仲良くしましょう、お互い困った時は助け合いましょうってところさ」 「宇宙人とそんな約束結んで大丈夫なんです?」 「君が作った契約書だから魔法で向こうも縛られている。悪さは出来ないさ」 「なるほど。でも、それだけじゃないですよね?」 「そうだね。いくつか要求をのんでもらったよ。まずは異能、向こうではスキルと呼んでいるがそれを封じる技術の提供。これは異能者の犯罪防止に繋がるからね。それから、戦闘力の計測器もね」 「それ以外はなんかないんすか?」 「目ぼしいものは転移装置だね。それがあれば一真君に頼らずとも移動が楽になるから提供してもらう事にしたよ」 Returnee of the Seventh Academy – Chapter 283